送迎加算の改定:医療的ケア児・重症心身障害児の評価
令和6年度(2024年度)の障害福祉サービス等報酬改定では、送迎加算についても見直しが行われ、特に医療的ケア児や重症心身障害児の送迎にかかる手厚い支援を評価する方向が打ち出されました。こうした児童の送迎には、看護職員等の同乗や車内での見守り・ケアなど、通常の送迎以上の体制が必要になります。本記事は、放課後等デイサービス・児童発達支援の現場が「自社の送迎が正しく評価されているか」を点検するための実務整理です。
- 送迎加算 改定の全体像
- 医療的ケア児・重症心身障害児の送迎の評価
- 看護職員等の同乗・体制の考え方
- 対象者の判定と受給者証の確認
- 送迎記録のポイント
- 現場が今やるべきチェックリスト
1. 送迎加算 改定の全体像
送迎加算は、事業所と居宅等との間の送迎を評価する加算です。今回の改定では、「一律に送迎を評価する」考え方から、送迎にかかる支援の手厚さ・専門性を踏まえて評価する方向に整理が進みました。特に、医療的ケア児や重症心身障害児のように、移動中も見守りや医療的ケアが必要となる児童の送迎は、通常の送迎とは異なる体制が前提になります。
裏を返すと、手厚い体制で送迎しているのに、記録や算定区分の取り違えで適切に評価されていない、というケースが起きやすいということです。自社の実態に合った区分で算定できているかの確認が重要になります。
2. 医療的ケア児・重症心身障害児の送迎の評価
医療的ケア児・重症心身障害児の送迎では、移動中の安全確保・体位の管理・吸引や経管栄養などの医療的ケアへの備えが必要になる場合があります。改定では、こうした手厚い対応を評価する区分が整理されています。イメージとして整理すると次の通りです。
| 送迎の類型 | 評価の対象(イメージ) |
|---|---|
| 通常の送迎 | 事業所と居宅等との間の一般的な送迎 |
| 医療的ケア児等の送迎 | 看護職員等の関与や手厚い見守りを要する送迎 |
3. 看護職員等の同乗・体制の考え方
医療的ケアを要する児童の送迎では、看護職員等の同乗や、医療的ケアに対応できる体制が求められる場合があります。現場で押さえるべきポイントは次の通りです。
- 誰が同乗し、どのような見守り・ケアを行ったのかを記録できているか。
- 看護職員等の勤務実態と、送迎時の関与が整合しているか。
- 車両・座席・安全装備が対象児童の状態に対応しているか。
- 緊急時の連絡・対応フローが定められているか。
体制を整えていても、関与の実態が記録に残っていないと、算定根拠として示しにくくなります。「誰が・何をしたか」を送迎記録に落とし込む運用を整えましょう。
4. 対象者の判定と受給者証の確認
医療的ケア児・重症心身障害児に該当するかどうかは、判定指標(医療的ケア判定スコア等)や受給者証の記載に基づきます。実務では次の点を確認します。
- 対象児童の状態像を示す判定根拠(スコア・主治医意見等)が記録として残っているか。
- 受給者証の記載内容と、算定している送迎の区分が整合しているか。
- 状態の変化に応じて、判定や対応体制を見直す運用があるか。
5. 送迎記録のポイント
送迎加算は、送迎を実際に行ったことと、その体制・対応が記録で裏づけられていることが前提です。最低限、次のような情報が記録に残っている状態が望ましいといえます。
- 送迎の実施日・経路・乗車した児童。
- 同乗した職員(看護職員等を含む)と役割。
- 移動中の見守り・医療的ケアの内容(必要に応じて)。
- 特記事項(体調変化、緊急対応の有無など)。
「送迎はしているが記録は最小限」という状態だと、手厚い送迎を行っていても適切な評価につなげにくくなります。実態に見合った記録様式になっているか、一度見直してみましょう。
6. 現場が今やるべきチェックリスト
- □ 対象児童の状態像ごとに、送迎の区分・加算を切り分けて整理したか
- □ 看護職員等の同乗・関与が送迎記録に残っているか
- □ 車両・座席・安全装備が対象児童の状態に対応しているか
- □ 受給者証の記載と算定している送迎区分が整合しているか
- □ 緊急時の連絡・対応フローが定められ、共有されているか
- □ 上記の根拠資料を実地指導でそのまま提示できる状態か
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