障害福祉・減算対策

BCP未策定減算(経過措置終了)への備え

公開:2026年6月 / 対象:管理者・児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者・運営法人 / 読了目安:約7分

障害福祉サービス・介護サービスでは、感染症や自然災害が発生しても利用者への支援を継続できるよう、業務継続計画(BCP)の策定と、研修・訓練の実施が運営基準として求められています。一定の経過措置期間が設けられていましたが、その経過措置の終了後は、未策定・未実施の場合に「業務継続計画未策定減算(BCP未策定減算)」の対象となり得ます。本記事では、何を整えれば減算を回避できるのかを実務目線で整理します。

この記事の目次
  1. BCP未策定減算とは何か
  2. 経過措置終了で何が変わるか
  3. BCPに含めるべき要素
  4. 研修・訓練の要件と記録
  5. よくある不備と回避チェックリスト
  6. 制度変更を見逃さないために

1. BCP未策定減算とは何か

BCP未策定減算は、感染症および自然災害に関する業務継続計画(BCP)の策定や、それに基づく研修・訓練などの取組みが行われていない場合に、所定単位数が減算される仕組みです。ポイントは、「計画を作って終わり」ではなく、研修・訓練まで含めて運用されているかが問われる点です。

BCPは「感染症対策」と「自然災害対策」の2系統で考えるのが基本です。どちらか一方しか整っていない、というケースも減算リスクにつながり得ます。

2. 経過措置終了で何が変わるか

最重要:BCPの策定・研修・訓練については、これまで減算を適用しない経過措置が設けられていました。経過措置の終了後は、未策定・未実施が減算の対象となり得ます。「まだ猶予があるはず」という思い込みのまま期限を過ぎてしまうのが、最も避けたいパターンです。経過措置の具体的な終了時期・適用条件は、サービス種別や改定の取扱いによって異なるため、必ず最新の通知と所管自治体でご確認ください。

経過措置がある間は「まだ作っていなくても減算されない」状態だったため、後回しになりがちでした。終了後は、BCPが存在し、かつ研修・訓練が実施されていることが前提になります。期限管理がそのまま減算回避の成否を左右します。

3. BCPに含めるべき要素

業務継続計画は、緊急時に「誰が・何を・どの順で」動くかを具体的に決めておくものです。一般的に押さえておきたい要素は次の通りです。

区分盛り込む内容(イメージ)
共通事項推進体制・指揮命令系統、連絡網、優先業務の整理
感染症BCP感染症発生時の対応、職員が確保できない場合の運営方針、衛生対策
自然災害BCP停電・断水等への備え、避難・安否確認、物資・備蓄、復旧手順
共通利用者・家族・関係機関への連絡、計画の見直し時期
実務ポイント:BCPは「ひな形を埋めて完成」ではなく、自事業所の人員・建物・地域事情に合わせて具体化されていることが大切です。連絡網の電話番号が古い、担当者が退職済みといった“形だけのBCP”は、実地指導で指摘を受けやすい点です。

4. 研修・訓練の要件と記録

BCPは策定するだけでなく、定期的な研修と訓練(シミュレーション)を行い、その記録を残すことが求められます。減算回避の観点では、ここの証跡が特に重要です。

残しておきたい証跡の例

「計画はあるが、研修・訓練の記録がない」状態は、計画があっても要件を満たさないと判断され得ます。年間スケジュールにあらかじめ研修・訓練を組み込んでおくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。

5. よくある不備と回避チェックリスト

よくある不備

回避のためのチェックリスト

6. 制度変更を見逃さないために

BCPに関する要件は、経過措置の終了時期や求められる研修・訓練の頻度など、改定や通知によって取扱いが更新されていく領域です。「経過措置があるから」と後回しにしているうちに期限が到来し、気づいたら減算が始まっていた、という事態は十分に起こり得ます。期限と要件の更新を継続的に追える仕組みを持っておくことが、最も確実な減算回避策です。

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※免責:本記事は制度・減算に関する一般的な解説であり、特定の事業所に対する法的・行政上の助言ではありません。経過措置の終了時期、減算の適用可否・減算率・要件の最終判断は、必ず厚生労働省・こども家庭庁等の一次情報および所管自治体(指定権者)にご確認ください。内容は作成時点のものです。